MRIの基本とポイント

MRI検査にかかる時間:頭部、脊椎など代表的な部位に関してまとめてます

MRI検査というと、
「時間が長い」
というイメージを持った患者さんは多いです。

実際、CT検査では10秒程度で撮影が終わるのに対し、
MRI検査は10分単位で時間が必要です。

狭いトンネルの中でじっとしていないといけないため、
患者さんの中には不安に思っている人も多いです。

今回MRI検査にかかる時間の目安を、表にまとめました。

もし検査をオーダーする時に、検査室で患者さんに聞かれた時に、
きちんと答えるためにもぜひ参考にしてみて下さい。

あくまで僕が勤務している施設での検査時間を目安としています。
シーケンスの数や種類によってもまったく異なりますので、
詳細は勤務先の診療放射線技師に確認して下さい。

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MRI検査時間の部位ごとの目安

検査部位 検査時間 前処置
頭部単純 15~20分 なし
頭部造影 25~30分 なし
頚部単純 15~20分 なし
脊椎単純 15~20分 なし
乳腺造影 25~30分 なし
心臓造影 30~40分 なし
肝臓造影 30~35分 必要
MRCP 25~30分 必要
子宮・卵巣単純 15~20分 必要
子宮・卵巣造影 25~30分 必要
前立腺単純 15~20分 必要
前立腺造影 25~30分 必要
膀胱単純 15~20分 必要
膀胱造影 25~30分 必要
関節単純 15~20分 なし

 

頭部MRI

実際の現場では、脳梗塞を疑って頭部単純MRI検査を行うことがとても多いです。
急性期脳梗塞の患者さんの場合、意識がはっきりせず検査中に安静が保てないことがよくあります。
そのためシーケンスを少なくし、より短時間で検査を終了することもあります。

頭部造影MRIは、がんの脳転移を疑って検査することが多いです。
血液脳関門が破壊されることで脳転移は造影されますが、すぐではなく、ゆっくりとにじみ出るよう染まっていきます。
造影剤投与から5分程度時間を置いてから撮像するため、検査時間はより長くかかります

頚部MRI

頚部腫瘍の精査のため、検査されることが多いです
多くの腫瘍は頚部の間隙を通り、立体的に浸潤していきます。

例えば上咽頭がんであれば、卵円孔を通って頭蓋内に進展することがあります。
中咽頭がんも耳下腺など、周囲組織に浸潤することがあります。

そのため、矢状断や冠状断といった多方向の撮像が必要となり、検査時間が長くなることがあります。

脊椎MRI

頚椎、胸椎、腰椎の3部位に分かれます。
検査目的も加齢性の変性から外傷、腫瘍まで広く、目的によって造影することもあります。
背部痛などを訴えている患者さんが多いため、安静保持が難しいことがあります。

乳腺MRI

乳がんを疑った場合に検査されることが多いです。
小さな乳がんは単純MRIでは発見がとても困難で、基本的に造影剤を使用しダイナミック撮像を行います。
通常の水平断だけでは見つけにくいため、矢状断や冠状断といった多方向からの撮像を行います。

心臓MRI

心臓は常に動いているため、きれいな画像を撮るには心電図に同期して撮像する必要があります。
患者さんの心電図がどれだけ上手く拾えるかで、検査時間はほぼ決まります。

残念ながら心臓MRI検査を行う患者さんは心臓機能が悪いため、不整脈や徐脈など心電図が乱れている事が多いです。
心電図によっては、検査に50分程度かかることもあります。

上腹部MRI

肝臓

肝臓の造影剤としては、EOB(プリモビスト)が現在多く使われています。
EOBを使用した場合、造影剤投与から15~20分程度あけてから肝細胞相というタイミングの撮像を行います。
そのため、検査時間は単純MRIに比べ長くなります。

MRCP(胆管、主膵管)

MRCPでは胆管や主膵管の形態を見るだけでなく、内部に結節など充実性病変があるかどうかがとても重要です。
胆管や主膵管は上腹部にあるため呼吸の影響を受けやすく、多くの場合、呼吸に同期した3D撮像を行います。
患者さんの呼吸状態によっては、検査時間が伸びることがあります。

骨盤部MRI

子宮、卵巣

悪性腫瘍を疑っている場合、ほとんどでダイナミック撮像を行います。
また、子宮は骨盤内で前屈や後屈しており、まっすぐに存在していません。
詳細な評価のためには多方向からの撮像が必要となります。

前立腺

前立腺がんを疑う場合、ダイナミック撮像を行うことが多いです。
一般的に、ダイナミック撮像を行うと前立腺がんとそれ以外の病変の鑑別がしやすい、と言われています。
また、前立腺がんのステージングには被膜外浸潤や精嚢浸潤を評価する必要があり、多方向からの撮像も必要になります。

膀胱

膀胱がんの診断事態は、膀胱鏡で行われます。
膀胱MRI検査は、腫瘍の性状や局所進展を評価する目的で行われます。
特に粘膜下にとどまっているのか、筋層に浸潤しているのかは治療方針に大きく関わるため、造影MRI(ダイナミック)が選択されることが多いです。

関節MRI

股関節、膝関節、肩関節などが相当します。
肩関節であれば軽度の外旋、膝関節であれば軽度屈曲といったように、患者さんに特定の姿勢を保ってもらい検査を粉います。
ただ、そもそも関節痛のある患者さんが多く、姿勢保持が難しい人もいます。

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