ラジエーションハウス

現役放射線科医がラジエーションハウスを考察:甘春総合病院はブラック病院だった

今日は、ドラマ「ラジエーションハウス」を考察してみました。

考察と言っても、ストーリーを深く考える、という方向ではなく、ドラマ設定を真面目に考えるとどうなるか、といったテイストです。

結論を先に述べると、甘春総合病院は労基署もびっくりなブラックな職場のようです。

大森渚(和久井映見)病院長は、優しい笑顔の裏で過酷な環境の中、医者と放射線技師を酷使している、という結論になってしまいました。

ちょっとした与太話ですが、楽しんで読んでもらえると幸いです。

この記事の目指す方向性は、空想科学読本です。

甘春総合病院は階段が多い不思議な病院

甘春総合病院はフロアの中に階段がある不思議な構造をしています。

通常病院は、高低差をなくすように設計されます。

これは、患者さんがストレッチャーや車椅子で移動するため、スムーズに動けることを目的としています。

けれど、放射線総合受付の前、エレベーターから検査室に通じる道に階段があります。
さすがにストレッチャーや車椅子を持って階段を降りるわけにも行きません。

スロープが離れたところにあるのか?

患者さんの動線が複雑です。

1日200件の読影を2人で:杏は夜中まで働いているようです

第1話で、読影室で鏑木安富(浅野和之)が、「1日200件近い読影を2人でこなすなんてありえない」とぼやいているシーンがあります。

続いて甘春杏(本田翼)が、「終わらなかったものは私が残って片付けます」と言っています。

1日200件の読影を2人で行うということは、単純計算で1人100件。

あまりやる気がなさそうな鏑木安富(浅野和之)の態度や甘春杏(本田翼)の発言からも、甘春杏(本田翼)が120件、鏑木安富(浅野和之)が80件ぐらいと予想します。

毎日120件読影するというのは、とてもとても大変です。

甘春杏(本田翼)は28歳(原作より)であり、医者4年目、初期研修が終わり放射線科医2年目の後期研修医です。

この年次でCTやMRIを毎日120件の読影というのは、とてもとても大変です。

僕は放射線診断専門医を持った医者(医者8年目以上、放射線科医6年以上)ですが、本当に集中して読影できるのは1日40件が限界です。

それ以上の数になると、見落としが増えてしまいます。

まして、甘春総合病院の放射線科は脳血管造影検査も行っています。

血管造影検査をこなしながら、1日120件の読影となると、杏は毎日夜中まで仕事をしているのでしょう。

燃え尽き症候群、もしくは過労死が心配されます。

そして時間外手当が多そうです。

放射線技師へのあたりが強いのも、寝不足が原因かもしれません。

診療放射線技師が少ない

番組ホームページでも紹介されている甘春総合病院の放射線技師は、五十嵐唯織(窪田正孝)及び広瀬裕乃(広瀬アリス)を入れて7人です。

放射線技師室の机の数からも、他に放射線技師はいないと予想されます。

これは、検査件数が毎日200件の病院としては非常に少ない人数であり、小野寺技師長(遠藤憲一)以下、皆さん本当に頑張っています。

何台のCTやMRI装置があるのかは不明ですが、人数と検査数の関係から、1人で2台の検査を行っているのかもしれません。並列で。

また、別の記事でも書きましたが、甘春総合病院は脳神経外科に強い病院のようであり、手術件数も多いでしょう。

https://radiolodiary.com/%E7%8F%BE%E5%BD%B9%E6%94%BE%E5%B0%84%E7%B7%9A%E7%A7%91%E5%8C%BB%E3%81%8C%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%82%A8%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B9%E3%82%92%E5%BE%B9%E5%BA%95%E8%A7%A3/

そうなると、術後のポータブルレントゲン撮影の数も多いです。

ドラマの中ではのんびりしているような描写が多いですが、白鳥が水中で足を絶え間なく動かしているのように、見えていないところで忙しく働いているようです。

黒羽たまき(山口紗弥加)がカップ麺をよく食べるのも、忙しいからです。栄養なんて気にしている暇がないのです。

その割に6人で仲良く院内のコンビニに買い物に行っていますが、燃え尽きないように時間を合わせて意図的にコミュニケーションをとっているのでしょう。

自分の精神を守るために。

まとめ

真面目に考察すると、甘春総合病院は非常にブラックな病院、という結論に至ってしまいました。

そう考えると、大森渚(和久井映見)病院長の笑顔にも、何か裏があるように見えてくるから不思議です。

与太話でしたが、少しでの楽しんでいただけたら幸いです。