今日は、診療放射線技師という職業について、まとめました。
この記事を最初に書いている2019年4月に、”ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート”というドラマが放送されています。
医師免許を持つ放射線技師が主人公のドラマで、どうしても裏方になりがちな放射線科医、放射線技師にスポットがあたっています。
診療放射線技師は、多くの画像検査に関わっており、病院に欠かすことができない重要な存在です。
そこで、診療放射線技師という職業がどういうものなのか、その成り立ちからまとめてみました。
ぜひご覧下さい。
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診療放射線技師のはじまり
医療における放射線検査の始まりは、1895年ドイツの物理学者レントゲン博士によるX線の発見です。
そこから、X線を使って体内を診る、という検査がスタートしました。
日本では、1898年に当時の東京帝国大学と陸軍軍医学校に初めて導入されました。
当初は医者が撮影、現像、診断の全ての工程を行っていました。
けれど、X線診断学の進歩に伴い検査数の増加や適応拡大が生じ、医者が全てを行うことが難しくなりました。
そこで、専門の技術者(当時は診療助手)として診療放射線技師が始まりました。
このように、診療放射線技師の仕事は、医者が行っていた業務が分化、専門化して独立したものになります。
法律に定められた国家資格です
診療放射線技師法第3条で定められていますが、診療放射線技師になるには、診療放射線技師国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受けなければなりません。
また、診療放射線技師と名乗るには国家試験に合格する必要があります(診療放射線技師法第25条)。
法律上、医師、歯科医師または診療放射線技師でなければ放射線を人体に照射することはできません。
つまり、医師は診療放射線技師と同じ仕事はできるものの、診療放射線技師と名乗ることはできないのです。
看護師も患者さんのレントゲン撮影などを行うことはできないのです。
レントゲン技師と呼ばれることもあります
診療放射線技師ではなく、レントゲン技師と言ったほうが、一般の方には理解しやすいかもしれません。
これには理由があります。
もともとX線を発見したのはレントゲン博士ですが、そこにあやかって、X線のことをレントゲン線と呼ぶことが一般的に普及しました。
日本でも”レントゲン”という呼称は広く使われ、現在の日本放射線技術学会の前進は日本”レントゲン”協会でした。
最初の放射線技術者養成校は、島津”レントゲン”技術講習所でした。
このように、X線検査=レントゲン検査という認識が広く広まった結果、レントゲン技師という呼称が一般に認識いされています。
まとめ
診療放射線技師という職業の成り立ちについてまとめました。
病院にとっても、僕たち放射線科医にとっても、欠かすことのできない本当に大切な仕事です。
少しでも知ってもらえれば幸いです。