今日は、放射線科の領域の1つである”放射線治療”についてまとめてみました。
放射線治療は手術、化学療法に並ぶ癌の治療法の1つで、種類によっては最初に放射線治療が選択されることもあります。
また、病的骨折、脊髄圧迫に対する照射など、患者さんのQOLを改善するために選択されることもあります。
日常的に外来を行っており、画像診断やIVRに比べると、患者さんに接する機会の多い仕事です。
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そもそも何をしているのか。
放射線治療医の日常的な仕事は、
外来
治療計画
の2種類になります。
外来
放射線治療医は基本的に外来を行っています。
ここが、画像診断やIVRを行っている放射線科医との大きな違いです。
放射線治療の対象となるのは、ほとんどが癌患者さんです。
そのため、他科で癌の診断がつき、紹介されて初めて患者さんとの接点ができます。
頭痛で神経内科を受診する、腹痛で消化器内科を受診する、といったように何の診断も付いていない状態で患者さんを診ることはありません。
逆に言うと症例数を確保するためには、他科との連携が非常に重要となります。
したがって、呼吸器内科、呼吸器外科、頭頸部外科など、放射線治療の対象となりやすい診療科とはカンファレンスを行っていることが多いです。
また、放射線治療には合併症がつきものです。
軽症なものから重篤なものまで様々ですが、発生時期もばらばらです。
そのため、ある程度の期間、外来でのフォローも行っています。
治療計画
放射線治療を行う際、まずどの部位にどれだけの量の放射線をあてるかという設計を行います。
これを、”治療計画”と言います。
臓器ごとの耐容線量はある程度決まっています。
人間の身体は臓器が密集して存在してるため、単に照射したのでは近くにある臓器にも放射線があたってしまいます。
例えば肺癌に当てる場合、角度によっては心臓や肝臓がかぶさってしまいます。
そのため、どの方向でどれぐらいの放射線を照射するのか、という事前の計画がとても重要になります。
現在は放射線治療自体が非常に複雑化し、病変によっては360°全方向から強弱をつけて照射する、という方法もあります。
したがって、治療計画をたてる際には、治療計画装置という機械・ソフトを使わないといけません。
放射線治療医になるには
名乗るだけなら、現在の医療法規的には自由です。
明日から”放射線治療医”と言い晴れます。
ただ、まっとうな放射線治療医になるためには、基本的に各大学の放射線治療医用の研修プログラムに登録していきます。
これは、新専門医制度とともに、現在進んでいる放射線治療の集約化が影響しています。
過去には小さな病院でも放射線治療ができることを目指して、各病院に放射線治療医は分散していました。
ただ、放射線治療を行うには高額な治療装置が必要で、維持にもお金がかかります。
症例数の関係もあり、現在は各地の拠点病院への放射線治療の集約化が進んでいます。
~がんセンター、~陽子線センター、といったように。
そのため、充分な症例を経験するには大きな病院で研修する必要があり、そうした病院は各
大学の関連病院であることが多いです。
したがって、放射線治療医、そして放射線治療専門医となるには、医局に所属する事が多いです。
放射線治療専門医資格
途中までは、画像診断及びIVRを専門とする放射線診断専門医と同じコースを進みます。
まず、日本医学放射線学会に3年以上所属すると、放射線科専門医の受験資格を取得します。
その後、日本医学放射線学会に5年以上所属(放射線科専門医取得後2年間)かつ、日本放
射線腫瘍学会に2年以上所属すると、治療専門医の受験資格が取得できます
研修医の間は学会に所属してもカウントされないため、最短で医者6年目に放射線科専門医、医者8年目に放射線治療専門医になれます。
まとめ
放射線治療医という仕事についてまとめました。
外来をしている点から、画像診断やIVRよりも患者さんに接する機会は多いです。
癌の治療において、欠かすことのできない仕事です。