医者をしていると、転科というのは結構身近な話です。
放射線科でもあります。
内科をしていて途中で放射線科に転科してきた人。
逆に放射線科から他科に転科する人。
放射線科は一般的な内科外科とは仕事の内容が大きく異なるため、合う人と合わない人にけっこう分かれると思います。
そこで、いろいろな人を観察して考えた、放射線科に向いているのはどんな人か、また向いていないのはどんな人か、を記事にしてみました。
もし、少しでも放射線科に興味がある人は、参考にしてみて下さい。
あくまで画像診断を専門とするいち放射線科医の意見です。
同じ放射線科でも、IVRや放射線治療医では診療内容は大きく異なります。
その前提の上で、ご覧下さい。
この記事の目次
放射線科に向いている医者
患者さんに接しなくても気にならない人
放射線科医は、患者さんに接する機会がとても少ないです。
病理医ほど極端ではありませんが、内科外科と比べると本当に接しません。
外来がなく、病棟も無いからです。
CT室やMRI室などの検査室で急変時、もしくは造影ルートがどうしても取れない時に呼ばれるぐらいで、せいぜい1日5人もいかないでしょう。
ドラマで見るような、いわゆる医者像とは離れた生活をしています。
このように、患者さんに接しなくても特に気にならない人は、向いています。
トイレが近い人
笑い話のようですが、トイレが近い人は放射線科医にとても向いています。
診療時間中に、席を立ち離れることが可能だからです。
内科や外科ではそうはいきません。
外来をしていたら、患者さんは途切れなく診察室に入ってきます。
病院にもよりますが、午前中で数十人診察することもあります。
そうした場合、患者さんがふと途切れた瞬間でも、採血や検査結果を確認しなければならず、トイレに行く暇は本当にありません。
スキを見てダッシュしなければならないです。
外科医の場合も同様です。
一回手術に入ると、基本的に終わるまで手は降ろしません。
手術にもよりますが、消化器外科であれば数時間、脳神経外科であれば半日以上かかることは普通にあります。
アドレナリンが出ているのか、あまり気にならない先生が多いのは事実です。
けれど、ふとした瞬間に正気に戻り、トイレに行きたくなっても行くことはできないのです。
放射線科に向いていない医者
患者さんに接するのが好きな人
患者さんに接するのが好きな医者は確かに存在します。
向いている人の逆になりますが、そうした人は放射線科に向いていません。
いわゆる、医者らしい医者をしたい人ですね。
また、瞬時の判断は基本的に要求されません。
例えば救急のように、交通事故の患者さんがやってきて、この人の命を繋ぐにはまず何から行わなければならないのか、というような極限の瞬間はまずありません。
どちらかというと、ゆっくりした思考で読影は行っています。
救急のような瞬時の判断を好む人には、向いていません。
パソコンに1日向き合うのが嫌な人
画像診断を専門としていると、読影が確実に仕事の中心になります。
そのため、ほぼ1日パソコンに向かって、読影レポートを書いています。
デスクワークが基本です。
こうした仕事が苦手な人は、確実にいます。
手術が好きな人
手術まではいかなくても、自分で検査を行うのが好きな人。
そうした人は、やはり向いていないことが多いです。
まとめ
僕の考える放射線科医(画像診断)に向いている医者と向いていない医者、についてまとめてみました。
ただ、IVRを専門にすれば自分で検査・治療を行い、病院によっては入院を担当することもあります。
放射線治療医であれば外来で患者さんをフォローするため、内科などにもっと近い仕事内容です。
放射線科と言っても専門によって仕事内容はかなり異なるため、転科してからでも自分に向いた方向・仕事を選ぶことができます。
何かのお役に立てたら幸いです。
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