読影レポート

読影レポートを書くときの注意点!

今日は、読影レポートを書く上での重要な注意点、について記事にしました。

画像検査は年々増加しており、僕たちが読影する件数も右肩上がりです。

そのため、どうしても早く読むという姿勢が身についてしまいます。

いちいちカルテは確認しない、前回画像とは対比するけれど、それよりも以前の画像は見ない、といったように。

ただ、本当に正しい診断、患者さんのための医療を行うには、時に立ち止まって情報を拾い集める姿勢が大切です。

そんな自戒も込めて書きました。

人の興味関心には限界がある

まず知って置かなければいけないのは、人の興味関心は自ずと限界がある、ということです。

「見えないゴリラ」という有名な実験があります。

この実験が示すことは、人は一つのことを見ていると、その他のことが見えなくなりがちであるということです。

同じことは、医者にも言えます。

基本的に依頼医は、自分の専門領域以外、「見えないゴリラ」と同じ様に見えていません。

そのため、悪性腫瘍など重要な既往歴があったとしても、検査目的にきちんと書いている場合は非常に稀です。

よく遭遇するのは、肺癌で胸部CTを撮ったところたまたま腹部に腫瘤を認めた、というパターンです。

肝臓であれ膵臓であれ、見た以上、「~を疑う。精査して下さい。」と所見用紙に記載します。

けれど、後でカルテを見てみると、肝細胞癌/膵癌とすでに診断がついている、ということはよくあります。

この様に、大事な病歴が検査目的に書かれていないことがある、という事例は覚えておいたほうが良いです。

何かの既往がないか常に探す

依頼医は自分の専門領域以外興味がない、と先に書きました。

同じ様に、カルテで既往歴に記載していてもそのことを重要だと認識していない、ということもあります。

特に多いのが、癌の術後なのに記載していない、という場合です。

そのため、読影しながら何らかの既往がないか、自ら探しに行く姿勢も重要です。

最近あった事例で言えば、貧血が進む女性の腹部CT読影時にありました。

腹部臓器には特に所見はなかったのですが、椎体に石灰化を複数認めました。

半年前のCTと比べると、明らかに進行していました。

そこでカルテを確認すると乳癌術後であり、多発骨転移による貧血、と診断がつきました。

このように、自らカルテを見に行くことは非常に大切です。

「著変なし」には注意する

読影時は前回検査と比較することが多いです。

前回と比べ変化があったのかなかったのかを判断しています。

けれど、病変の中には変化のスピードが非常に遅いものがあります。

高分化型肺癌であれば数年かけて大きくなりますし、大動脈瘤も毎回”著変なし”と記載されていたが、数年前のCTと比べると1cm以上大きくなっていた、ということがあります。

数ヶ月や1年で数mmしか変化しない病変の場合、初回の画像と比べると大きく変化していることがあります。

可能な限り、初回の画像と比較することが大事です。

前回診断を盲信するべからず

日常的に読影していると、自分の診断が間違っていたということが多くあります。

同じ様に、前回読影した先生も誤診する可能性は十分あります。

前回書いていたからといって、その診断をそのまま信じるのは非常に危険です。

特に他院から紹介された患者の場合、うまく診療情報が連携されず、前医でついていた診断が伝わっていない、ということも多くあります。

肝血管腫としてずっとフォローしていたが、ある時腫瘍マーカーが急激に上昇し、調べてみると結腸癌の既往があり、生検で結腸癌の肝転移であった、ということもあります。

前回書かれてたからといって、必ず自分でも診断する癖をつけましょう。

まとめ

読影レポートを作成する上での注意点をまとめました。

僕たちがおもに情報を得るのは依頼医の検査目的と、前回の読影レポートです。

必要な情報、本当の情報が書かれていないことも多々あるため、盲信せず自分で確認するくせは大切です。