読影レポート

FDG-PET/CTを読影するコツ【若手放射線科医向け】

大規模病院ではPET/CTが導入進んでおり、若い放射線科の先生の中でも読影している先生が多いです。

最初は、おそらくカラーの画像という時点で違和感が強いと思います。

けれど、『FDGという造影剤を使ったCT』と考えれば、通常の造影CTと似た感覚で読影することは可能だと思います。

具体的な読影手順やポイントについて解説しました。

【こんな人にオススメの記事です】
・FDG-PET/CTを初めて読影する若手放射線科医

FDG-PET/CTは『FDGという造影剤を使ったCT』

FDGとはfluoro deoxy glucose(フルオロデオキシグルコース)の略で、非常に弱い放射線を出す薬剤で、放射性医薬品の1つです。

PETとはpositron emission tomography(陽電子放出断層撮影)の略で、FDGを含む放射性薬剤の出す放射線をキャッチして、その分布を画像化する方法です。

CTは通常のCTで、画像の吸収補正に使います。また、PET画像は画像分解能が低いため、CT画像とfusionする(重ね合わせる)ことで、病変の部位や範囲が明瞭になります。

つまり、FDG-PET/CTとは、”FDGという薬を使って得た””PET画像を””CTで補正した”画像という意味です。

簡単に言うと、『FDGという造影剤を使ったCT』という認識がわかりやすいと思います

送られている画像の種類

PET/CTでは複数の画像が送られており、それぞれ解説します。

PET

FDGの分布を表した平面画像です。白黒です。

PETのMIP

PET画像をMIP(最大値投影法)で表したものです。白黒です。

通常のCT

現在はPETとCTが一体となった機器が多く、一緒に撮影します。

軟部条件と肺野条件があります。

fusion CT

PETとCTを重ね合わせた画像です。

機器や施設によって、PETを単色濃淡(赤など)やレインボーで表したりします。

冠状断や矢状断も送ることがあります。

PET/CT読影の手順

最初にPETのMIPを見る

まずはMIPで全体をざっと確認します。

この時注意するのは、単に病変(異常集積)を見るだけでなく、脳や筋肉の集積を確認します。

FDGはブドウ糖類似物質のため、ブドウ糖を大量に消費する脳にとても強く集積します(PETでは真っ黒)。

食後やインスリン注射を行うとブドウ糖は筋に取り込まれるため、脳の集積が低下し、筋の集積が上昇します。

すると、腫瘍など病変部への集積も低下することがあります。

そのため、SUVmaxを以前と比較することができません。

この場合、レポートの頭に『食後ないしインスリン注射後と考える状態です。病変部へのFDG集積も定価いている可能性があります。』と1文いれましょう。

MIPで最初にチェックして下さい。

fusion CTと通常のCTを並べて読影する

次にfusion CTで異常集積部位を探していきます。

この時に重要なのが、fusion CTと通常のCTを並べて(できれば同期させて)読影すると手間が省けます。

FDGの集積は境界明瞭ではなく、辺縁不明瞭なぼんやりした集積です。

そのため、fusion CTだけ見ていると病変の部位や周囲臓器との関係がわかりにくいです。
あらかじめ並べておくことで、時間短縮になります。

PET/CT装置のCTはあまり性能が良くなく、別に通常CTが撮影されているケースが多いです。
PET/CTのCT画像をそこまで詳しく読影する必要は、個人的にはないと考えてます。

FGDが異常に集積している部位と、異常に集積していない部位を探す

多くの悪性腫瘍は糖代謝が活発になっているため、FDG集積は上昇します。

基本的には、体内で異常に集積している部位を探していきます。

けれど、腫瘍の中にはFDG集積が乏しい病変もあります。

例えば腎がんは集積が乏しいことが多いですが、FDGは尿排泄のため腎盂や腎実質には集積を認めます。

そのため、MIPでは強い集積部位の中に、集積していない部位が存在することになります。

脳腫瘍も正常脳実質よりは集積が低いことが多く、脳の中に集積欠損として認めることがあります。

この様に、異常集積部位と異常に集積していない部位を探していきます。

その他のPET/CTの読影ポイント

SUVmaxは装置によって異なる

悪性腫瘍の場合、レポートにはSUVmaxを併記することが多いです。

SUVmaxは「関心領域内で最も大きなSUV値」のことで、通常腫瘍活性の強さを示します。

簡単にまとめると、『SUVmaxは造影CTにおける造影効果のようなもので、腫瘍活性が強いほど値が高くなる』、という認識でよいです。

化学療法など行っているとこのSUVmaxの推移を見るのですが、大切なのは『装置によってSUVmaxの値は変化する』ということです。

装置ごとの感度の違いなどによります。

他院でPET/CTを撮影していた場合も、SUVmaxを比較してはいけません。

まとめ

最初にPET/CTを読影すると、戸惑うことが多いと思います。

けれど、『FDGという造影剤を使ったCT』と認識し、『強く集積していると腫瘍活性が高い(事が多い)』と考えれば、通常の造影CTと同じ感覚で読影できると思います。

貴重なお時間の中、最後まで読んで頂き本当にありがとうございました。