画像診断のコツ

頭部MRAを読影するコツ【若手放射線科医、研修医向け】

頭部MRAはMIP画像だけ見れば良い、ということではないです。

元画像も見ることで、MIPだけではわかりにくい動脈瘤や狭窄を見つけることができます。

MIPには写っていない病変を、元画像で見つけることもあります。

MRA画像の見方、注意点を解説しました。

【こんな人にオススメの記事です】
・救急外来で頭痛や脳梗塞疑いを検査する研修医
・頭部MRAの元画像とMIP画像がよくわからない若手放射線科医

頭部MRAはどんな画像か?

頭部MRAは造影剤を使わずに血管を評価できます

頭蓋内の動脈血流を画像化したものを、MR angiography(MRA)と呼びます。

一番の特徴は、「造影剤を使わずに動脈の評価が可能」ということです。

CTで血管を評価する場合、どうしても造影剤が必要になります。

MRAでは造影剤を使うことなく動脈の検査が可能で、患者さんにとって侵襲が少なくてすみます。

救急外来でも頻繁に検査されています。

造影剤を使うMRAもあります(造影MRA)。

頭部MRAはTOFという撮像法を使う

MRAを撮像する方法はいくつかありますが、3D-TOF(time of flight)法が用いられる事が多いです。

血管内の早い血流を白く描出します。

同じ方法で脳静脈を検出することもでき、MRV(MR venograhy)と言います。

頭部MRAには元画像とMIP画像の2種類ある

撮像して最初にでてくる画像は、他の頭部MRIと同じく平面の断面画像です。

これを、「元画像」と言います。

動脈瘤は立体的な構造をしているため、平面画像では見落としたり評価が難しいことがあります。

そこで、元画像に最大値投影処理(maximum intensity projection:MIP)を行いMIP画像を作ります。

頭部MRAの読影手順

最初にMIP画像を見る

動脈瘤や動脈狭窄を発見するには、『最初にMIP画像を見ます』。

立体的な画のため、血管から突出する動脈瘤や急激な動脈の狭窄がとても見つけやすいです。

また、「MIP画像は角度を変えた画像が複数送られていますが(多くは3方向)、必ずすべての画像を見て下さい」。

血管がどうしても重なるため、1方向だけでは動脈瘤を見落とす事が多いです。

MRA元画像も必ず見る

MRAの元画像も必ず見るようにしましょう。

元画像を見ない先生も中にはいますが、MIP画像だけではわかりにくい動脈瘤や狭窄があります。

MIP画像は辺縁を中心部を切り出して作っているため、「技師さんによってカットされている抹消に動脈瘤がある」こともあります。

動脈瘤のサイズ計測も、元画像で行います。

脳動脈瘤の好発部位は決まっている

脳動脈瘤の好発部位は、頻度から3ヶ所あります。

①内頚動脈-後交通動脈分岐部(IC-PC)
②中大脳動脈分岐部
③前交通動脈

この3ヶ所は意識的に見に行きます。

特に内頚動脈-後交通動脈分岐部は、脳底動脈や後大脳動脈と重なって見落としやすいです。

複数のMIP、そして元画像も確認しましょう。

頭部MRA読影で気をつけること

頚部MRAの元画像で肺や咽頭喉頭を読影する

頭部MRAと一緒に頚部MRAが撮像されることがあります。

その際、頚部MRA元画像で「肺や咽頭喉頭」も読影します。

頚部MRAは総頚動脈起始部や大動脈弓部まで撮像されることが多く、両肺上葉も範囲に入っている事が多いです。

そして、頭部MRAが検査されるのは、多くが高齢者です。

特に肺に腫瘤がないか、チェックします。

MIP画像の立体視の効果は疑問です

放射線科の先生の中には、少しずらしたMIP画像を並べて「立体視で読影する」という先生が一定数います。

平行法、交差法と呼ばれる方法で見るのですが、僕としては効果は疑問です。

立体視をすると目が疲れますし、できるできないに個人差もあります。

MRAを丁寧に見ていけば見落としは減ります。

まとめ

脳梗塞を疑ったときなど、MRAを読影する機会はとても多いです。

MIP画像そして元画像の両方を見ることで、脳動脈瘤や動脈狭窄を見つけることができます。

元画像は血管以外も写っているので、病変がないか探します。

貴重な時間の中、最後まで読んで頂き本当にありがとうございました。

何かのお役に立てたら嬉しいです。