画像診断のコツ

頭部CTを読影するコツ【若手放射線科医、研修医向け】

この記事では、『頭部CTを読影するコツ』について解説します。

頭部外傷では頭部CT検査が基本的に第一選択になります。

頭蓋内出血や頭蓋骨骨折を評価するには、頭部MRIよりも適しているためです。

そのため、救急外来や病棟での患者さんの転倒など、目にする機会が多いと思います。

脳はとても重要な臓器であり、患者さんの命やQOLに大きな影響を及ぼします。

実際の読影手順、見方などを説明していきます。

【こんな人にオススメの記事です】
・初めて救急外来を担当する
・当直で入院患者さんの転倒を見ることがある

依頼目的として多い、「頭痛」や「外傷」を仮定して説明しています。
「脳腫瘍精査」目的であれば、画像の見方は少し異なります。

頭部CTの撮影範囲

「頭」が全て入っているのはもちろんですが、足側をどこまで撮影するかは施設によって異なります。

多くの場合、頚椎C2,3レベルまで撮影されており、上咽頭や上顎洞も読影の範囲に含まれます。

また、頭を真っ直ぐにして撮影できない場合、MPRでOMラインに合わせたCT画像を作って送ることがあります。

見やすくなり便利ですが、MPRにすることで頭頂部や咽頭など一部が見えなくなっていることがあるための、元画像も参照しましょう。

OMライン(orbitomeatal ライン)とは、眼窩中心と外耳孔中心を結ぶ眼窩外耳孔線のこと。
頭部CTはこの基準線に沿って、スライス角度を決めることが多いです。

頭部CTの良い適応

出血の精査

頭部CTの良い適応としては「出血」があります。

頭部MRIでも急性期出血は診断できることがあります(特にFLAIR画像)。

ですが、脳実質とのコントラストによる見やすさ、検査の手間などを考えると、急性期では多くの施設で頭部CTが第一選択になっています。

骨折の精査

頭蓋骨は薄いため、MRIで骨折の診断を行うのは非常に難しいです。

CTだと骨折線が見えやすいため、頭蓋骨骨折を疑った場合、頭部CT検査が行われます。

大腿骨や脊椎の骨折であれば、CTで見えない骨折をMRIで診断することができます。
同じ骨折であっても、部位によって適切な検査は異なります。

頭部CTの読影手順

頭部CTの中で見る順番

人間の集中力は1つの読影であってもさほど持たないため、もっとも集中できる最初に重要臓器を読影したほうが良いです。

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頭部CTの場合、もっとも重要な臓器は『頭蓋内(脳実質+脳脊髄液腔)』になります。

僕が読影している順番ですが、

頭蓋内(脳実質+脳脊髄液腔)→副鼻腔+乳突蜂巣→骨→軟部→咽頭

という流れです。

まず中心部を見て、徐々に辺縁に移っていく、というイメージです。

頭部CT画像は足側→頭頂部側の順に並んでいるため、最初に「小脳」を読影します。

ウインドウを変える

頭部CTも胸部CTや腹部CTと同様、見るのに適切なWL、WWがあります。

個人的におすすめするのは、WL 30、WW 70です。

この設定にすると、出血はより白く強調され、脳の皮髄境界も明瞭となります。

デフォルトの設定ではなく、必ず変更して読影して下さい。

頭は左右対称の臓器

手足を除き、人間の体は基本的に左右非対称です。

肺であれば左右で「葉」の数が異なり、肝臓は右に、脾臓は左にあります(内蔵逆位など除く)。

その中で、頭は「左右対称」の構造をしています。

左右で対比しながら読影を行うと、病変の発見に役立ちます。

頭部CTを読影する時に気をつけること

血管をチェックする

単純CTの場合、脳血管(動静脈ともに)は見落としがちになります。

けれども、サイズの大きい動脈瘤や高吸収を示す静脈血栓であれば、単純CTでも見つけることができます。

特に脳動脈瘤の好発部位は、内頚動脈のIC-PC、中大脳動脈分岐部、前交通動脈の3箇所なので、海綿静脈洞周囲は意識的に見るようにしたほうが良いです。

頚椎をチェックする

頭部CTでは上位頚椎(C1~3程度)は撮影範囲に含まれています。

頭部外傷で撮影された場合は、必ず頚椎に骨折がないか確認して下さい。

僕の職場でも、C2椎体骨折が見落とされていた事例がありました。

幸い大きな不安定性、神経症状はなく、患者さんに問題はありませんでした。

頚椎骨折は通常の横断像では評価が難しいため、冠状断や矢状断画像が役に立ちます。

まとめ

頭部CTの実際的な読影手順、見方について解説しました。

適したウインドウ幅で、左右を見比べながら読影下さい。

何かのお役に立てたら嬉しいです。