画像診断のコツ

脊椎MRIを読影するコツ【若手放射線科医向け】

今日は、脊椎MRIを読影するコツ、注意点について記事にしました。

高齢化のため、頚部痛、腰痛を訴える患者さんは多く、画像検査の数としても増加しています。

非常に多く読影する領域ですが、僕が読影を始めた当初、

変形性脊椎症と脊柱管狭窄症ってどう使い分けるの?
画像所見と臨床症状の部位が合わない

といった疑問がありました。

若い放射線科医の先生の中にも、同じ疑問を持っている人が多いと思います。

そこで、過去の自分が知りたかったポイントを解説しました。
ぜひご覧ください。

矢状断だけでなく、水平断も見る

脊椎MRIでは、水平断、矢状断、冠状断画像が送られてきます。

このうち、矢状断は広範囲をひと目で見ることができ、非常に便利です。

ただ、矢状断で病変がなかったとしても、必ず水平断を確認して下さい。

特に椎間孔内外側型や椎間孔外外側型の椎間板ヘルニアは、矢状断画像では診断が難しいことが多いです。

水平断でスライスずつ、チェックしましょう。

変形性腰椎症と腰部脊柱管狭窄症の違い

変形性腰椎症と腰部脊柱管狭窄症は、かなり曖昧に使い分けがされています。

例えば、日本整形外科学会のホームページの変形性脊椎症の項目では、

変形による骨棘や肥厚などによって脊髄や馬尾神経の通り道が狭くなり脊柱管狭窄症となって症状を発現することもあります。

(参照:日本整形外科学会ホームページより引用)

と変形性脊椎症と脊柱管狭窄症を分けて分類しています。

一方で、

脊髄や神経がこれらによって圧迫され、様々な症状(腰痛・足のしびれ・麻痺など)が出現します。この状態を腰椎症または腰部脊柱管狭窄症と呼んでいます。

(参照:秋田県立循環器・脳脊髄センターホームページより引用)

と同じ疾患として扱っている記載もあります。

画像診断上の病名としてもかなり曖昧です。

実臨床では、骨棘や黄色靭帯の肥厚、椎間関節過形成などがあり、

・脊髄ないし馬尾が物理的に圧排されていれば脊柱菅狭窄症
・圧排されていなければ脊椎症

という様に使い分けされている印象です。

画像と臨床症状が合わないことが多い

脊椎疾患全般に言えますが、画像と臨床症状が合わないことが非常に多いです。

・右椎間孔が狭窄しているのに、症状は左側。
・L4/5レベルで脊柱管狭窄があるのに、症状はL2レベル。

などなど、一致しないことが多々あります。

そのため、検査目的に「右L5神経根圧排の疑い」などと記載されている場合を除き、神経根レベルを細かく拾うことの臨床的意義は乏しいと考えます。

椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄などがあればそのレベルをしっかり記載することは重要ですが、画所見像と臨床症状が合わないことが多いということは意識しておいたほうが良いです。

他の部位をしっかりと読影する

脊椎MRIの読影で、いちばん大事なのは脊椎以外の読影だと思っています。

範囲の設定にもよりますが、例えば腰椎MRIであれば水平断で腹部大動脈や両腎の他、膵臓の一部まで撮像されていることがあります。

頚椎であれば咽頭喉頭がはいっています。

自験例ですが、30台の若い女性でたまたま膵腫瘍が写っていたことがあります。

臨床医は絶対に見ない領域ですので、放射線科医が必ずチェックします。

おそらく、依頼医が放射線科医に一番求めているのはココです。

まとめ

脊椎MRIでは矢状断で病変がなかったとしても、必ず水平断を確認しましょう。

画像上の病変レベルと臨床症状が合わないことはよくあります。

そして、脊椎以外もチェックして下さい。

何かのお役に立てたら幸いです。